「よっしゃ!ナイスキャッチ!」~福岡市 西区 野方 姪浜の学習塾より~
いよいよ中学生は定期テストが近づいてきました。
テストの前は憂鬱になります。課題を締め切りまでに出さなきゃ。テスト勉強しなきゃ。またゲームし過ぎた!私もそうでした。テスト本番へのカウントダウンは、まるで予防接種の順番を待っているかのように不安でなりません。
同じような不安は、テストに限らず運動が苦手なら「体育大会」、音楽であれば「合唱コンクール」。お父さんお母さんであっても、「偉い人との面接」や「大勢の前で話さなきゃいけない」など世の中に試練は多くあります。
私が小学5年生の頃、週1回のクラブ活動がありました。転校してきて間もない私はいつの間にか「ソフトボールクラブ」に入っていました。それまでゴムボールをカラーバットで打つ野球はしたことがあっても、グローブをはめる本格的なものはありませんでした。
クラブ活動が始まると、私ともう一人を除いてみんな経験者。ボールもバットも思ってたより重く、大きく、握ることもまっすぐ立つことも出来ませんでした。同じクラスにマッツンという子も同じクラブでした。お父さんが甲子園経験者だけにに上級生からも顧問からも常に掛けられる言葉は「すげぇ」。そして私が掛けられるのは「ドンマイ」。いつの間にかもう一人の初心者は別のクラブに入っていった様でした。
「俺も担任に話して楽そうなゲームクラブに入れてもらおう」
と思っているうちに、「来週は小5対小6の試合をするぞ!」と顧問の声。沸き起こる歓声、こちらでは内臓からこみ上げる臭い何か。
担任に話すタイミングを逃して、とうとう対小6の試合当日。「先生!お母さんが死んだ気がします」と言って家に帰るのはバレるよなぁと思っているうちにランドセルからグラブを勝手に抜き取り「固いのぉ。これじゃ捕れんよ。」とか言いながら、油でほぐしてくれるマッツンを見ると、そんな勇気もなくとりあえずグランドまで行くということにしました。
スタメン発表では運良く守備につかない11番DHスタート。本当に助かりました。
しかし、試合が終盤に差し掛かるところで
「セカンド吉田!」 と顧問の声。
「こんなバッターから近い所にいてボールが来たら危ない!」ととりあえずグラブで目を隠していると、すごい音とともにボールが襲ってきました。体を背けて逃げようとしたら、グラブの土手を叩くボール。拾い上げて思いっきり投げた先は、ファーストではなく木の生い茂る林の中。
振り向くと6年生ランナーが次から次へとホームを踏むのが見えました。上げる顔はありません。
「よっしゃ!ナイスキャッチ!」
「あんな球なかなか捕れない。立ち止まってから俺にキャッチボールでもその速球なら十分間に合う。次それで行ってみよう!」
テストに向けて「あれもわからない、これも出来ない。やばい。またお母さんに怒られる」そんな君に対して、「あれも出来る、これも出来る。だから次この辺行けるよね。」
今度は私が声を掛ける番です。
「よっしゃ!」から 「どうや!」と指さす ホームラン
あれから30年以上経った今も野球を続けています。ありがとうマッツン。
最後までご覧いただきありがとうございました。 吉田
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